INTERVIEW

変わりゆく故郷と「時」の流れ

大阪府 近畿ブロック

山上 真利

Masatoshi Yamagami

変わりゆく故郷と「時」の流れ

泉南は、令制国の和泉国南部に由来する地域名称であり、現在の大阪府南西部にあたります。市域の北西は大阪湾に面し、南東は和泉山脈を境に和歌山県紀の川市・岩出市と接している。北東はいずれも大阪府内で田尻町・泉佐野市と、南西は阪南市にそれぞれ隣接しています。大阪府内の他の地域と比べ、野菜や果物を多く栽培し、野菜で特徴的なのが玉ねぎと水なす、果物はみかんが多く栽培されています。産業は、江戸時代から樽井の地で盛んになった、木綿の布地を起毛させた「紋羽」織り以降、紡績・織物業が栄え、昭和40年代まで泉南は繊維産業の町でした。多くの煉瓦工場は取り壊されましたが、いまも煉瓦遺構が残り、当時の繁栄ぶりを彷彿とさせます。1994年9月、大阪湾の本市沖合いに「地域と共存共栄する空港」を理念に関西国際空港が開港し、地元泉州をはじめ関西全域で人、モノ、情報の交流を活発化させており、世界都市・関西の形成に向け、泉南市もりんくう都市としてさらなる飛躍を期待されています。

目には見えないところだからこそ、一番大切な部分です

今年36歳。高校時代は高齢社会を見据え車いすの開発に携わりたい夢を追い、福祉関連の大学に進学したが、その頃に後継者としての自覚に芽生え、卒業後大阪府摂津市の同業者のもとで3年間修業し、26歳で父親の会社に入社。現場の仕事が好きだというやりがいは、自信に繋がりました。事業の軽天工事は1970年頃から普及した工事と言われており、「軽鉄とビスで幾何学的な空間が出来上がっていくさまが楽しい」と、学校・病院・工場などの様々な建造物の内装の新築や改修工事を手掛けてきました。
私たちの仕事は、完成すると私たちの行った作業が表から見えなくなってしまいますが、見えないところだからこそ、一番大切な部分でもあります。日々進化する技術の積極的な吸収と工事で得た経験と知識により、目まぐるしく変わる現場の状況に応じてその時々に対処しながら要望に応えていくのは、とてもやり甲斐があります。見た目の派手さはありませんが、人々の記憶と地図に残る建物の建設に携わる事が出来るのが軽天工事の魅力です。

『仲間の絆』がピンチを救う『力』になる

現場が好きな私に3年前、父親から突然の事業承継。戸惑いもあったが「何とかなる」と思えたのは泉南市商工会青年部の仲間が傍にいたからです。先輩部員から会社の決算書の見方、資金繰り、経営戦略の立案などを丁寧に教わりました。現在は経理を担当する妻と5人の職人と一緒に「経常的にキチンと利益を出せるマネジメント」を実践しています。
私の次の目標は「軽量天井内装業という分野を魅力ある仕事にし、より広く知ってもらうこと」です。課題として、工期遵守の為に長時間労働になりやすく、休日を取りにくい、受注工事単価の是正など職人の処遇改善があります。それが今後の人材確保・育成に繋がり「楽しさ・やりがい・収入が得られる仕事にできたら」と業界の将来を考えてます。青年部では、部長・会長と経験し「せっかくいただいたチャンス。地域を盛り上げ、小さな企業が元気を出せるように、精一杯がんばりたい」と決意を持ち取り組んでいます。

事業所情報

商工会名
泉南市商工会
企業名
株式会社山上軽鉄鋼業
青年部員名
山上 真利
代表者名
山上 真利
企業業種
軽量天井工事業
設立年
1978年(昭和53年)
従業員数
1名