INTERVIEW
いいとも
福岡県 九州ブロック
田籠 慶峰
Yoshitaka Tagomori
田主丸町は、福岡県久留米市東部にある、旧浮羽郡域を由来とする地域である。福岡県の中南部に位置し、北に筑後川、町の中心部を巨瀬川が還流し、南に耳納連山が連なる地域である。田主丸町では、数百年前から様々な植木・苗木業が盛んに行われ、全国でも有数の植木の町へと発展しており、中でも、みかんなどの柑橘類の苗木の8割は田主丸産として、日本一のシェアを誇っている。また、他にも、巨峰発祥の地、「河童伝説」が残る田主丸町としても注目されている。
町の名前の由来は、慶長年間(1596年~1615年)まで遡る。当時の政治家である菊池丹後の往生観「我極楽世界楽生」の「我楽しう生まる」から「たぬしまる」の名がついたと伝えられている。この名の通り、楽しく心のままに人生を送る「楽生」の精神は、町の人々に引き継がれている。
当店は、昭和20年代に祖父が印章業として開業した。その後、父が後を継ぎ、開運吉相専門のハンコ屋として、事業展開を行っていった。当時は、開運吉相専門で行っているお店は珍しく、他店が取り組んでいないことを一早く行い、他店との差別化を図ってきている。今では、ハンコに限らず、軽印刷などの業務を請負うなど、様々なニーズに対応できるお店として事業を営んでいる。
このような中、私が22歳の時、父が他界し、事業に携わることを決断した。その後、3年間の修行を経て、25歳に事業に従事するようになる。父も田主丸町商工会青年部で部長を務めるなど地域の発展にも力を入れており、当然のように、私も青年部へ加入することとなる。それから、約15年、事業に携わり、父の意思を引き継ぎ、本来の開運吉相専門のハンコ屋を守っている。
近年、インターネットが急速に普及し、モノに触れずに購入できる世の中になってきているが、当店では、直接、印材を触ってもらい、肌で感じてもらうことで、一生もののハンコを提供していくことを常に心掛けている。
田主丸町商工会青年部は、サッカーフェスティバルの実施(H19~)、たこづくり教室(H28~)、夜市deプール(H29~)、など地域振興事業及び青少年育成事業の取組を行っている。
これらは、地域のつながりが少なくなっているこの中で、青年部として何かできないかを検討し、積極的に取り組んできた。令和2年度には、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、町内のすべての小学校へ、子供たちが安心して学べるように、コロナ対策となる物資の支援なども行っている。
また、平成29年度からは、目まぐるしく変化するこの社会に対応するために、部員の資質向上にも力を入れている。過去には、税務、金融、事業計画策定、コロナ対策など様々なテーマを題材に、部員一人一人が考えどのような経営者になっていきたいかということを青年部として取り組んでいる。