INTERVIEW

人と地域を繋ぐ

高知県 中国・四国ブロック

新谷 正章

Masaaki Niiya

地域を守り、繋ぎ、盛り立てる

 私の住む高知県梼原町は、面積の91%を森林が占め、北に四国カルストを望み、日本最後の清流四万十川の源流域でもある自然豊かな山間の小さな町です。
 愛媛県との県境に位置し、古から人や物の往来が盛んで行き交う人々をもてなす「まろうど文化」が、現在も住民に受け継がれています。人が温かい地域だからこそ「坂本龍馬は土佐藩脱藩の道としたのではないか…」と歴史に思いを馳せます。
 また、一千百余年の歴史を持つ「津野山神楽」は代々の神官に舞い継がれ、私たちの生活に溶け込んでいます。古い伝統と文化を守りながら梼原町は2009年1月に環境モデル都市に制定され、自然エネルギー(森・水・風・光)を活かし地域資源利用エネルギー自給率100%を目指しています。私は人と地域を共に未来へ繋ぎ、盛り立てていければと思っています。

時代に合わせて生きる~ここを基点として~

 昭和58年、町外の精肉店で修業を積んだ父が「町の人たちに美味い肉を食べさせたい」と熱い思いで始めた精肉店。いつもの食事だけでなく子どもの誕生日、遠足、お盆、正月といった家族の特別な日にも、当店のお肉を使って頂いています。町外のお客様からも「お肉を買うために、梼原まで来ました」と嬉しい言葉を頂き、日々精進しております。
 しかし、コロナの影響は大きく、人が集まる機会自体が激減。町全体の活気が無い日々が続く中、「人が来なければ、自分から行ってみよう!」と各種イベントへ積極的に参加し、少しでも当店を知って頂けたのではないかと自負しています。
「梼原の新谷」が基点として根を張り、「梼原に来たついでに肉を買う」から「肉を買うために梼原へ行く」という枝や葉を育て、「また、梼原へ行きたいね」に実らせたいと思っています。

地域を共に作り、地域と笑い合う

 梼原町は、少子高齢化が進み、2023年3月末で人口3,220人の過疎地域です。今では核家族世帯が大半を占め、田舎の町ですらおじいちゃんやおばあちゃんと接する機会が無くなりつつあるのが現状です。
 私たち青年部は、子供の頃に体験し楽しみでもあったことを何か今の子供たちに伝えて行きたいと思い、毎年1月に「餅つき」を梼原こども園にて実施しています。園児たちは、お餅がもち米から出来ていることを知りません。本物の杵の重さや臼を見たり触ったりすること自体が初めてです。冬の寒い中、頬っぺたを真っ赤に染め、自分でついたお餅の味は格別です。みんな一番の笑顔をくれます。
 これからも未来を創る子供たちの笑顔と共に地域を作り、守っていきたいと思います。

事業所情報

商工会名
梼原町商工会
企業名
有限会社 新谷精肉店
青年部員名
新谷 正章
代表者名
新谷 章男
企業業種
食肉小売業
設立年
1983年
従業員数
3名
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