INTERVIEW

限界なき挑戦

岩手県 北海道・東北ブロック

兼澤 幸男

Yukio Kanesawa

愛情と誇りが満ちる場所へ

私が住む大槌町は三陸のほぼ中心に位置します。
リアス式海岸の深い湾内では、背後に広がる広葉樹の森からの栄養豊富な水による海での養殖業も盛んに行われています。
大槌町は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた地区の一つです。養殖業はもとより、町の中心部も津波にのまれ、多くの尊い命が失われました。今なお、地域再生に向けた取り組みが続いています。
震災からの復興へ歩みを進める中で、私たちのふるさとには、愛情と誇りが満ちていることを強く感じています。この地域を未来に繋げるため、私たちがその礎を築いていくことが重要です。持続可能なふるさとを実現するためには、地域の資源を最大限に活用し、次世代に引き継ぐ努力が求められると考えています。

地域の新たな財産を生み出すために

山には野生動物が多く生息していますが、近年増え続けた動物による農作物の被害等が増加し、人の手によって管理する必要が出てきました。
大槌町の山のハンター達は、その昔から狩った命へ感謝をもって頂くことを大事にしており、その命の恵みを地元以外の皆様にも知って欲しいとの想いから『MOMIJ株式会社』を設立、美味しい大槌町の鹿肉をお届けしています。
「シカは害獣」です。……と言われると、ちょっと悲しい気がします。
でも、「シカはまちの財産」です。……とみんなが言えるようになればどうでしょう。MOMIJIは、個人や企業、その他多くの人たちが持っている知恵や技術を活かし、「害獣」を「財産」に変えるジビエサイクルを生み出していきます。

新たな挑戦を成長につなげる青年部へ

大槌商工会青年部は現在正部員23名、賛助部員5名で活動しています。
企業経営に対する研修はもちろんのこと、平成23年の東日本大震災からの復興、その先の課題である人口減少と地域経済の縮小に立ち向かおうと地域の担い手たる我々として活発に活動しています。
具体的には令和5年より誘致した事務いすを使ってチームで大槌駅前を走る2時間耐久レース、「いす1グランプリin三陸大槌大会」です。第1回から町内に限らず、県内外からの参加、高校生や近隣の関係団体も参加し、参加者の高いモチベーションと観客の熱い応援で成功裏に終わりました。
成功に触発された部員も多く、今後も新たなことに取り組む青年部になっていくと考えています。

事業所情報

商工会名
大槌商工会
企業名
MOMIJI株式会社
青年部員名
兼澤 幸男
代表者名
兼澤 幸男
企業業種
食肉等加工製造・販売(ジビエ)
設立年
2019年
従業員数
12名