INTERVIEW

この先に咲く可能性を見たい

秋田県 北海道・東北ブロック

田中 洋平

Yohei Tanaka

戻る場所があるというのは、ある意味幸運なこと。

私が仕事をしている秋田県三種町は、こどもの頃からの思い出がぎっしり詰まったところ。中でも釜谷浜という海、そして森岳温泉。地元にこういうところがあるというのは強みであり、大切にしていきたいところでもあります。この町で現在、建設会社の代表取締役として仕事をしています。私は二代目、父が創業者です。代表に就任したのは4年前。神奈川の大学に行ったのですが、大学時代は、卒業してもバイト暮らしをして暮らしていけばいいと甘い考えでした。その時、父から「卒業後の進路はどうするのか」と聞かれ、ようやく地元へ戻って家業を継ぐ決心をしました。
戻って来ると、早速ギャップを感じました。神奈川にいた時は、そう言っても街中で都会の匂いがしていました。ただ、私は基本的にそういう騒がしい場所が好きではなかった。あえて住宅街にあるアパートに住んでいました。地元に戻って来たとき、物が少なくて買い物をするのが不便だなと思いましたが、生活をして行く上で寂しいとか、そういう感情がなかったことが不思議でした。

仕事と青年部は両輪、地域の可能性を広げたい。

商工会青年部に入ったのは、地元の先輩に誘われたから。県生連の会長になったのは、よくある話かもしれませんが、単会の部長を先輩から「年齢が若いからやってみてはどうだ」と言われたのがきっかけでした。その後に、前会長からも話をもらって会長に就任しました。最初はこんなに大変だとは思わなったのですが、その内単会の部長と意見を交わしたり、県内を回った時に「会長はどう思う?」と声をかけられたりする中で、今はこれをやるべきと自覚しはじめました。
県生連は、可能性を広げるきっかけになったと思っています。仕事だけではなく、仕事と商工会青年部の活動は両輪。自分の仕事が良くても、地域が良くならなければ土台がなくなるも同然です。地域の可能性を拓く場としてこれからも商工会青年部は意味があるし、5年後、10年後に花が咲く可能性があるのではないでしょうか。

自分の中の芯を強くし、今後の町のことを考えたい。

今後の三種町の課題は多くあります。中でも旧三町のカベが問題ですね。イベントにしても選挙にしてもすみ分けが激しく、三種町のイベントであるにもかかわらず、足を運ばない人がいたり。もっと風通しを良くし、森岳温泉の活性化にも取り組みたい。地域だけでやろうとしても難しく、三種町が一体となり、取り組まなければならないと痛感しています。机上で議論していても何も変わらない。若い人が行動に移して、町民の目に止まるような活動にすれば少しずつでも変わってくると思います。
しかし、いきなり性急に変える必要はなく、暮らしている人が今まで通りの暮らしを送っていけばいいと思うし、やはり私はどこかで、静かに暮らしたいという気持ちがあります。だから三種町らしさも残したい。ただ、地域のことを考えれば、先を見て目標を持って進まなければならない。自分が何に向かっているのか、これからも考え続けたいですね。

事業所情報

商工会名
秋田 三種町商工会

企業名
田中建設株式会社

青年部員名
田中 洋平

代表者名
田中 洋平

企業業種
建設業

設立年
昭和62年9月3日

従業員数
112名(役員含めず)

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