INTERVIEW

ここにしかないことを始めたい

石川県 中部ブロック

山﨑 貴文

Takafumi Yamazaki

我がふるさと「白山」をもっと多く人に知って欲しい。

私が生まれ育ったところは、石川県の白山スキー場の目の前。この場所で約70年続く会社の4代目です。ふるさとを拠点として、主に夏は崖崩れが起きないようにする土木工事、冬は除雪や電気設備の業務などを行なっています。雪が多い地域なので、仕事の面では、オン・オフの切り替えが割合スムーズに。一晩で60~70cm雪が積もると、必然的に山へは入れません。私は雪が降るとテンションが上がります。理由は、谷あいの集落と川が点在する地形を生かして行ったイベントにあります。雪深いこの地域では、昔からクマやイノシシを食べるという習慣がありました。そこで昨今の野生イノシシの増加に伴い、「命を食べる」という事業を立ち上げたのです。生活の中で動物の生態を感じ、そして感謝して食するということを、広く県内外の人たちにも知ってもらいたい。雪で迷路を作ったり、今では地元住民によるイノシシ料理の食べ比べも次第に知られるようになり、白山スキー場、温泉、白川郷に抜けるホワイトロードを通る観光客が、この地域を訪れるようになっています。

白山の魅力づくりを
青年部の活性化に繋げる。

中部ブロックの商工会青年部は、市町村合併に伴い5つの村が一つになってできたもの。最初は小さな隣村の感覚で、自分たちの村という壁をなかなか取り払うことが難しかったのですが、この数年でその壁がなくなったように思います。昔から各地域の商工会青年部が行うイベントはあったものの、人口や補助金の減少に伴いだんだん青年部の存在が薄れてきました。それに危機感と寂寥感を感じ、この地域の良さをもっと積極的にアピールすることを始めました。
自慢できるものは何か。それは何をおいても「雪」と「イノシシ」です。
これをきっかけに「白山フェスティバル」が生まれました。この地域ならではの「命を食べる」事業をきっかけにした食文化と、雪遊びというエンターティメントも好評を博し、想像以上の来客があり、地域貢献に役立ちました。白山の魅力づくりとともに、今後の商工会青年部の活動にも取り入れて欲しいと考えています。

誰かが受け継いできたことを
今度は自分が担っていく。

これからの白山エリアの活性化プランは、まずはここを都会から来た人たちも住みたいと思える村にすることです。今もスキー客が来て旅館に宿泊するなど、人の往来はあります。そこで、現在点在している村々に新しく人が集まって生活できる場所があり、仕事も地域にある。白山麓の中に、こうした場ができることが理想です。都会で暮らす子どもたちも、昔の自然の風景に触れて、心を豊かにすることが大切。白山があることで雪になり川になり、清水になる。そうした山の恵みを肌で感じて欲しいと願っています。
私の好きな言葉に「和を以って貴しとなす」というのがあります。互いに刺激しあえるというのは幸運であり、その仲間がいることも幸せなことだと思います。誰かが引き継いでくれたからこそ祭りや伝統があります。その誰かに、今度は私がなりたいと思っています。

事業所情報

商工会名
石川県 白山商工会

企業名
株式会社山﨑組

青年部員名
山﨑貴文

代表者名
山﨑貴文

企業業種
総合建設業

設立年
昭和26年

従業員数
24名