INTERVIEW
地域ならでは魅力を掘り起こす
京都府 近畿ブロック
中野 勝友
Katsutomo Nakano
京都府の丹後地方で、私は美容院を経営しています。商工会青年部の部長の任期が終わり、その後地元の方の推薦を受けて、2年前から市議会議員としても活動しています。私の故郷・丹後は、景色よく風土よく、歴史も深いものがあります。丹後全域で6,000基の古墳群があります。変わった出土品もありましてね。その頃からの歴史が今日まで続いてきたわけですから、他の地域から来た人には面白いと思ってもらえるのですが、丹後の人はその魅力に気づいていない。丹後ちりめんもばら寿司も丹後独特の文化ですが、いろいろな生活の中に埋もれてしまっています。それをしっかり掘っていかないといけません。また、冬には驚くほど雪が降りますが、それが美味しい作物が育つ風土ということでしょうね。
人が良くて忍耐強いのも特徴です。お裾分けの風習が今も残っています。人が繋がっているということは、非常に安心感があります。丹後は私が生まれ育った地でもあり、大好きな土地です。ここで商売もさせてもらった。選挙に出る2ヶ月に亡くなった父は「商売人として地域に育ててもらった。地域に恩返しをしろ」と遺言をしました。私もその思いを継承していきたいと思っています。
商工会青年部の仲間たちは、仲間でもありライバルでもあります。刺激し合える関係です。自分が思っていること以上のことを考えている人がいたり、自分が見ているよりもっと先を見ている人がいたり。商売を一生懸命する人は、地域を良くしようと思っていると思います。
政治は大まかな地域デザインを考えていかないといけないし、都市計画も立てていくので、インフラをしっかり整備した後には、整備する側として民間投資を誘うインフラ投資をしなければならない。必ずそこにビジネスチャンスが生まれる方法があるはずです。ビジネスチャンスを整備していけるのは、商工会青年部だと思うから、声を上げていく必要があるでしょう。そこに民間インフラを投資できるという図式。ここまで繋げれば地域は伸びると思います。それをやるには、この理論を押してくれる地域の人たちが必要なのです。
地域づくりで一番優先しなければならないことは、人づくりとしか私には言えないですね。人口減少が著しい地域にあって、しっかり仲間と繋がって物事を動かしていかないといけない。仲間がいるから頑張り続けることができています。トラブルを多く乗り越えてきた商工会青年部の仲間は絆が深い。商工会青年部は府内だと600名、うちの単会は120名ほどいますが、一人ひとりが決してみんな仲が良いわけではありません。でも、商工会青年部員としてその絆はあるだろうと思っています。その絆さえあれば、多少のことは乗り越えていけると思っているんです。商工会青年部という組織を次代へ繋いでいかないといけないので、私もいい加減なことはできません。私のモットーとしていることは「百聞は一見にしかず」。地元を便利に、利便性良くしようと思ったら、自分は一番不便な方法をとらなければいけないと思っています。電話やメールよりまず顔を見に行く。いわばこの一番不便な方法でみんなと繋がっていくことが、地域を便利良くさせる力になると考えます。僕は不便を嫌ったり、距離に負けるのは一番嫌いなんですよ。