INTERVIEW

軽井沢のブランド力を高めたい

長野県 関東ブロック

土屋 勇磨

Yuma Tsuchiya

二度と現れないものは壊さず残す方向で。

私がメインで携わっている仕事は、建物と敷地を活用したビジネス。建物は、35年前に吉村順三氏が建てた音楽ホール兼合宿所で、3年前に所有している理事の方が高齢で持ちきれないので、町に寄付するか更地にして分譲するという話が上がりました。二度と建てることはできないほど素晴らしい造りで、「そういうことであれば私に貸して欲しい」と交渉をして、現在カフェとシェアハウスと貸別荘の3つの事業で建物を保存していくという活動をしています。
目的は、軽井沢は別荘地ということを多くの人に知ってもらいたいということ。今は若い人を中心に軽井沢はショッピングの町というイメージが根付き、別荘地・高級なイメージが低下していることを私は危惧しています。こうした歴史的な建物を知ってもらうことで、軽井沢が別荘地であることを人々の心に根付かせたかったのです。カフェは若い人向けのメニューを用意し、軽井沢の環境と「軽井沢ゴルフクラブ」という超名門のゴルフ場もあるので、そうした話をすることで軽井沢ってすごい場所なんだということを知ってもらうきっかけにしたいと思い、事業を展開しています。

ビジネスとして守っていく方法を考える。

建物は細部に神が宿っているといえるほど、吉村順三氏らしさが生きています。計算された風の通り道やあとはロケーション。目の前に「軽井沢ゴルフクラブ」があるこの南ヶ丘という別荘地は、軽井沢ゴルフクラブを作るために分譲されたもの。入会するのも難しいクラブは、建物の付加価値を上げているようなもので、これを伝えていくことが軽井沢の素晴らしさを伝えるとことになると思っています。
継承しようと思うと、何もしないでは続かない。永続的にビジネスとして建物が収益を上げながら守られていくのが大切なのです。軽井沢は人口2万人の小さい町ながら成功されている人が多く、そういう人と出会えることが町の強みだと思います。今後は成功した人たちと起業したり、別荘の支援をしたりといった事業計画をプレゼンテーションする場を作っていきたいですね。そうすることで、新しい産業が軽井沢から生み出されたら面白いと思います。

規制を強化してブランド化を高めていく。

商工会青年部として見ると、地域資源活性化の補助金があり、認められた地域資源の数は長野県はすごく多いんです。日本酒の酒蔵は新潟より多く、山梨県に匹敵するほどワインの生産もあり、牛・豚・鶏もあります。観光という視点で見ると強い土地です。だから地域の特色をもっともっと発信することを若い世代にやってもらいたいですね。長野県の商工会青年部は67の単会があるので、各単会で頑張れば長野県はさらに良くなると思います。関東ブロックの中でも上位の魅力度ランキングの県だと思うので。67単会あれば、67個の名産がある。それを発信していくことは面白いですね。
また、軽井沢のことで言えば、規制を強化して別荘地としての価値を上げていくことが生き残り策として最適で、ブランド化に繋がるんじゃないでしょうか。「世界の模範になる洗練された別荘地・軽井沢」を私たちは目指しています。

事業所情報

商工会名
長野県 軽井沢町商工会
企業名
株式会社 軽井沢総合研究所
青年部員名
土屋 勇磨
代表者名
土屋 勇磨
企業業種
飲食業、貸別荘事業
設立年
2012年4月1日
従業員数
13名