INTERVIEW

関わる人を全て大切にする

静岡県 関東ブロック

加藤 晃太

Kota Kato

先輩や仲間と一緒に仕事ができる喜び。

私は静岡県稲取の生まれです。祖父母が「稲取銀水荘」という旅館を経営していて、現在父が社長で、私は3代目になります。保育園の頃には旅館の営業所が東京の板橋と名古屋にあり、我々家族は板橋に住んでいました。4~5歳のときに稲取に戻って来たと記憶しています。中学・高校は静岡市で寮生活。大学は東京へ進学し、卒業後は旅館業と全く関係のない業種の仕事に就き、2年間働いて稲取へ。戻って決算書を見た時は驚きましたね。旅館も大きくなり知名度は上がっていましたが、経営状態に不安がありました。そんなときに父から「数字を追うことも大切だが、温泉旅館としてお客様に癒しを与えないといけないし、喜んでもらえる感覚的なことも大事なんだ」と言われました。確かにそうだな、と思い直し、良い雰囲気づくりを大切にすることで売上利益に繋がっていくんだと思えるようになりました。それを今でも大事にしています。
良い会社というのはどういう会社かという定義が僕の中にあって、お客様の満足度「CS」、社員の満足度「ES」、収益のベネフィットの3つをバランスよく回すことができるのが良い会社だと思います。お客様のためだけでもダメ、社員のためだけでもダメ、利益だけ追求していてもダメ。その3つが合わさって上手く稼働していることが大切だと、それはこの3年間言い続けていることです。

商工会青年部はビジネスライクではなく、人と人との繋がり。

私は正直なところ、稲取という町があまり好きではなかったのですが、僕が会長になったときに、商工会青年部に属している先輩が「初めて東伊豆町から県の会長が出た」と私を盛り上げようとしてくれました。人も温かさもあり、先輩・後輩関係ももちろんですが、同級生というのが一つ重みがあって。親より嫁より子供より同級生というところがあります。同級生ファースト。普段全然出てこない同級生が初めての総会のときに出てきてくれたり。仕事を休めない人も休んで来てくれたり。こういうところがこの町が好きだと思えるきっかけになりました。
商工会青年部に入って、県のトップとして外へ出させてもらったからこそ、稲取や東伊豆町の良さに改めて気づくことができました。商工会青年部に入って仲良くなれた人たちが多くいるのが今、私の強みになっていますね。今年37歳になりますが、県の役員の中では若いですし、先輩に対して謙虚に物事を伝えないといけないと思っています。

理想を持ち続け、ワクワクを届けたい。

この先は、東伊豆町、特に稲取は観光業が主産業になります。企業としてしっかり維持・向上していくことが、町に対する恩返しだと思います。具体的には、旅館業はきついとか3Kと言われるイメージをなくし、働き方の多様性、所得も上げていく。例えば、東伊豆の稲取のオリジナリティをプレゼンできる社員を雇用したいと思います。根っからの地元の若い人に働いてもらって、東伊豆・稲取という場所を「銀水荘」を媒体に発信していく。そういったことをやりたいと思っています。そうするためには、都内の旅館やホテルに負けない福利厚生や労働環境などのインフラを整備していかないといけない。つまりそれが、町に対する恩返しになると思います。
自分の中では、資質向上がビジネスにつながると考えているので、全部をフルパワーでやり、社員にもワクワクするような人生を送ってもらいたい。まず、そういう理想を私が持ちつづけることではないでしょうか。

事業所情報

商工会名
静岡県 東伊豆町商工会
企業名
稲取銀水荘
青年部員名
加藤 晃太
代表者名
加藤 昌利
企業業種
旅館業
設立年
昭和54年
従業員数
185名