INTERVIEW
地域の豊かさは人の豊かさに比例する
徳島県 中国・四国ブロック
山田 敏夫
Toshio Yamada
仕事は北島町で町の水道屋をしています。親父が初代で、私は二代目。会社から10分ぐらいの場所に空港があります。北島町は昔から根付いている人たちが地域に残っているので、和気あいあいと何でも言い合えるのが魅力。結束力があるので、何かあるとまとまって助け合える町でもあります。商工会青年部の会長の前は部長をしていて、単会の人数は30名ほど。多い方だと思います。会長としては、それぞれブロックがありますが、人が大事だと私は思うので、みんなが話し合って協力する。仲間がいれば小さな力も大きくなります。私も会長として、みんなと助け合いの中でいろんな行事に取り組んでいきたいと思っているところです。
会長としての難しさはたくさんありますが、それでも仲間と一緒に楽しめたり、今日は大変だなと思っても仲間が支えてくれたり。苦しくても楽しさに変えてくれる仲間がいるというのはありがたいことで、私にとって部員は、かけがえのない兄弟だと思っています。
町を存続していくための思いは、昔自分が入っていた野球クラブに繋がるところがありますね。地元でのチーム作りをしていく中で、親が子に教えるように接していく。そこには教えることの楽しさもあるし、子どもには地元の学校を守っていける責任感が生まれます。また、自分たちがやったという達成感も大きいですね。そうしたチームのさらに大きな広がりが、地域かもしれません。
私たちは祭囃子も教えていますが、少子化によりどうしても太鼓をたたく子どもたちが減ってきているのが現状です。そこで小学校活動でも太鼓の楽しさ、地域の祭りの楽しさを伝えていくような感じで、課外学習をさせてもらっています。子どもたちの反応はすごく良く、保存会の人たちに手紙をくれて、「楽しかったです、太鼓たたけて良かったです、またやりたいです」と。やっとこういう気持ちが出てきました。獅子舞は人間2人が入れるぐらい。自分の子どもが太鼓をたたくようになり、その親が獅子を舞う。この流れで獅子舞の保存会に入ると、親子で祭りを継承できます。子どもが太鼓をたたいている姿を、親は獅子の中から見守って、頑張ってるな、親も頑張ろうという意識になれば良いですね。
子育てが地域作りと掲げるところもあります。子どもはこれからの地域には欠かせない存在なので、それを今、私たち親がフォローする。それがこれからの子どもたちへ、頑張ってもらいたいというメッセージでもあります。北島町は人口は増えてきています。そのまま地域のイベントに参加してもらい、もっと根付いてもらえたら嬉しいですね。その場その場で参加してもらうことが大事で、参加してみて初めて分かることもあります。まず体験して欲しいと思っています。
産業も、大手の会社や商業、工業と中小企業が多い町なので、もっと発展すると子ども世代もいずれここに留まってくれるのではないかと期待しています。事実、多くの会社が人員募集していますし、市内の鳴門へ行くにもアクセスが良いので行動がしやすいのではないでしょうか。先行きを見ても開ける町なので、子どもたちには小さいころから仲間を作って、大人になったとき、友として一緒に商工会青年部で活躍してくれていたら嬉しいです。