INTERVIEW

人知らずしてこれを憤らむ

鳥取県 中国・四国ブロック

山内 有二

Yuji Yamauchi

観光客を呼び戻す、そんな勢いを再び。

私の仕事はクリーニング業です。三朝は温泉地なので、旅館やホテルの浴衣やシーツのクリーニングが多いですね。創業は大正初期。僕で4代目になります。創業当初は一般の服を専門にやっていたクリーニング屋でしたが、聞いた話によると、ひいおじいさんが西日本で最初に西洋クリーニングを取り入れたらしい。そのときに、自分も習いたいという方がたくさんいたということです。祖父が生きていた頃は、家に洗剤を調合するためのビーカーやフラスコがありました。常に洗剤を調合していて、薬品の研究をしていたことを覚えています。その後時代の流れで、着物を着ることが多かったのがだんだん減ってきて。そして親父が、シーツや浴衣のクリーニング専門にシフトしました。三朝の全旅館と取引しているわけではないのですが、ほぼ取引していて、忙しいシーズンは1日に1,500枚以上さばくこともあります。
三朝温泉の観光客は35万人といわれています。昔に比べると減っていて、平成8年は55万人だったらしいです。三朝は山に囲まれ川が流れ、自然が近い。川も山も歩いて回れるところでもあり、昔の賑わいを再び取り戻したいですね。

2つのことをテーマに商工会青年部の力を強める。

鳥取県は18単会あるのですが、部長が若くなった。経験がない人が多いので、今後はその人たちを成長させるための日々かなと思っています。また、商工会青年部という組織だからできることがあります。異業種の集まりという強みを活かし、商売へ反映させていくという事業をこれから始めます。それによって自分たちが元気になって、地域を活性化していくというところに結びつけようとしています。イベントや事業も大事。それ以上に、商売がしっかりしたものになれば地域経済にも貢献できます。これからの商工会青年部はその2つだと思っています。地域のためにやること、商売人として事業を発展させることは大事です。鳥取県としては、その2つが両立できるように取り組んでいます。
部員は仲間ですね。苦しいときに支えてもらったこともあるし、商工会青年部というだけで、自分の悩みや商売の悩みを相談できて、良いアドバイスをもらえる。友だちとは少し違ってそれ以上の仲間。強い結びつきを築ける関係性だと認識しています。

今抱えている課題に実直に向き合う。

三朝は6つの地域があって、谷ごとに分かれている。いろいろなところへ行って、いろいろな人と話をすることでヒントをもらえることもあるので、地域を活性化しようと思えば、人とコミュニケーションを取って繋がりを広げていかなければと、最近よく思いますね。その中で課題を見つけたり共有することが大切。自分たちの主観だけで事業やイベントをするというのもあるけれど、それと同時に様々な人と関わっていくこともしないといけません。
三朝が抱えている課題は、意思統一ですね。団体ごとにばらばらに動くのではなく、何か一つでも同じ方向を持つことが大切だと思います。いろいろな人の意見を認めながら、共有することが大事。三朝の商工会青年部では、三朝の中にあるごく普段の風景や温かなシーンを撮って、フォトコンテストをしようという取組をしています。その中で自分たちの顔と名前だけではなく、我々の意志を覚えてもらう事業をしているのです。

事業所情報

商工会名
鳥取県 三朝町商工会
企業名
(有)山内 三朝ドライクリーニング
青年部員名
山内 有二
代表者名
山内 謙一
企業業種
クリーニング業
設立年
明治初期
従業員数
6名
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