INTERVIEW

地域のみんなの架け橋に

山梨県 関東ブロック

㓛刀 孝次郎

Koujiro Kunugi

家族の思い出に繋がる場所になれた喜び。

私は今、「南アルプス三景園オートキャンプ場」というキャンプ事業をしています。父の代にキャンプ場を作り、父が57歳か58歳の頃で、私はその時はまだ学生でした。もともと持っていた土地に開いたのですが、川があり山があり、私はこのロケーションが大好きでした。ここの生活環境も気に入っていて、父や母も過ごした地だからここにいれば何とかなるだろうという、漠然とした安心感がありましたね。
キャンプ場のノウハウは特に持っていませんでした。その時々の売り上げだけで経営し、見通しが立つまでに10年。現在20年目になりますがようやく安定してきたところです。これまでで一番大変だったのは、田舎なので農業もやらなきゃいけない。キャンプ場のかき入れどきと、農業の収穫期が重なったときです。家族で運営しているのでなんとかなりましたが、季節のタイミングを外すことができず、でもそれは嬉しい悲鳴でした。
キャンプ場をやっていて一番の喜びは、リピーターが年々増えていくこと。10年、15年、20年と来てくれるお客さまもいます。ヨチヨチ歩きだったお子さんが、大学生になっても「南アルプス三景園オートキャンプ場」なら行きたいと言って来てくれる。家族の思い出の場所に選ばれたことが仕事冥利につきます。

小さなところから熱い思いで活動を広げる。

この地区の会長になったきっかけは、単会の副部長をしていた時、部長を支えるべく大会に出るようになったら、自分がお山の大将で、時代に乗り遅れているなということを実感したことが大きいですね。特に情報は、自分が取り入れなければいけない、と思ってリーダー塾に参加するうち、そこで刺激を受けた。そのうち周りが見えるようになり、会長になってみたいと思うようになりました。
理事会があり部長会議があり、県の会議があって。物事はそういう風に動いて行くのだと知りました。もともと山梨にはそういう仕組みがなかったのですが、私の代からがまさにスタートでした。
県知事との意見交換会では、知事はとても熱い思いを持っている人だということを実感できました。そして、商工会青年部に期待してもらっていることがわかったのは大きな収穫でした。

人が集まってくる場として今を繋ぎたい。

「南アルプス三景園オートキャンプ場」は、甲斐駒ケ岳と鳳凰山と、八ヶ岳の山に囲まれた場所にあります。子どもたちがワクワクする姿、大人たちも一緒に喜んでいる様子に、今の仕事の必要性と、人として自然と触れ合うことの大切さを改めて感じています。キャンプという事業は今は産業として弱い部分はありますが、着実に根づかせていきたいですね。季節で儲けるとか儲けないという概念ではなく、維持していく、繋いでいくことが大切で、例えばゴミの処分のところまで地域で行うことができて、初めて地域の産業として認められると思っています。
先祖が残してくれた土地で、自分たちが生活するという枠を超えて、地域を存続するためにみんなで共有できる仕組みを作りたいと考えています。大切にしていることは、地域の継続、組織の継続。そのための架け橋になれたらいい。今後も地域のみんなが生き生きと躍動してくれたら、これに勝るものはないと思っています。

事業所情報

商工会名
山梨 北杜市商工会

企業名
南アルプス三景園オートキャンプ場

青年部員名
功刀 孝次郎

代表者名
功刀 孝夫

企業業種
レジャー業

設立年
1997年

従業員数
3名