INTERVIEW
三田のベースは広い。確実にチャンスはある。
兵庫県 近畿ブロック
中西 孝之
Takayuki Nakanishi
兵庫県三田市は三田牛で有名ですが、元は農村地帯でした。近頃開発が進み、ニュータウンもできて人口は確実に増えています。都会の一面と、一歩外れたら田舎の風景も残り、そこがうまく融合した町だといえますね。大阪から1時間、特急では40分ほど。大阪、京都、神戸へのアクセスが良く、全国的に知られる有馬温泉へも40分ほどへ行けるなど地の利は最高です。そのため観光面でも注目を浴びています。
私は三田で椎茸の観光農園を行なっていますが、地元というより大阪、神戸方面からのお客様が多く、三田市には周辺の市町村から多くの人が来ています。
私は大学卒業後、サービス業を学ぶために、4年ほど有馬温泉のホテルで働いていた経験があります。会員制ホテルで、観光産業の基本や接客など様々なことを学びました。三田に戻って家業を継ぎ、そのときに商工会青年部へ入りました。家業は代替わりをして2年目。弟も一緒に会社を営んでいて、父が会長です。
三田の町には観光施設もいろいろあり、アウトレットや有名なパティシエが始めたお店、世界に一つだけ能舞台があるステーキレストランもあって県外からの観光客の胃袋を満たしています。
三田の青年部員は、全体の部員に比べると起業家が多く、みんなでやろう!という積極的な人が多いと思います。全国の商工会青年部は全体的に事業継承者ですが、三田は6割以上は起業家。自分で商売している人が多く、特に飲食業が多いのが特徴です。歴代の部長もそうですが、自分のところだけではなく、面白い店や美味しい店が三田にたくさんできて、外から三田に来て全体が潤うというのを目標をしている人が多いです。つまり、外からお客さんを引っ張ってきてエリアそのものが盛り上がったら良いという意識。だからみんなが協力し合いながら、アイデアを出しあってイベントを行なっています。
ただ、大手のチェーン店が入って来ると市場が一気にくずれるという危機感も持っています。地元の人が商売をし続けることができるように、地域ぐるみで協力しあって対策を練っているところです。私は今後、全国との距離を縮めるために兵庫県の全単会を回る予定。情報を共有して地元だけに止まらず商圏が違う広域だからこそ相談できることもあると思いますから。
私はこれからの三田の町づくりを、広域で見てはどうかと思っています。三田市も観光に力を入れていますが、過去10年連続人口増加率全国1位だったものの、これ以上は頭打ち。今できている商圏を盛り上げようと思えば、エリアの外の近畿県内、もしくは神戸、大阪、京都からの集客に目を向けなければなりません。私は観光業を行なっているので、三田市や青年部員とも連携しながらいろいろな事業やイベントを計画し、人を呼び込みたいと思っています。
三田牛を始め、気候的に良い食材も採れるのです。商圏が大阪、神戸、京都から1時間で来られる立地ということで、その強みを生かしながら、また、田舎の雰囲気も残しながら集客に力を入れたいですね。観光と地域を絡め、農業体験ができる背景もあるので、できることはどんどん行っていきたいと思っています。