INTERVIEW
誇れる地域で商売できることに感謝
鹿児島県 九州ブロック
野村 憲作
Kensaku Nomura
鹿児島県出水市は、県北西部に位置しており、平成18年3月に旧出水市、旧出水郡高尾野町及び野田町の1市2町が合併して誕生した人口約5万人の都市で、熊本県水俣市と境を接し、九州新幹線の停車駅があり、国道3号線、鹿児島本線など陸上の幹線の要衝として発展してきた地域です。産業は農業・畜産が盛んで、特に鶏肉や鶏卵の生産が多く、全国屈指の生産量を誇ります。また、観光資源も豊富で、「鶴の町商工会」の名称の由来でもある国の天然記念物である「鶴」が飛来する世界最大の越冬地として有名で、毎年10月末になると遠くシベリアから1万羽超が飛来し、翌年3月頃まで生息することから、この期間、国内外から多くの観光客が訪れます。また、薩摩藩の関所があった地であることから、今でも武家屋敷群が地域内に多数点在するなど、出水市は、自然と歴史が融合した観光資源も豊富な誇れる地域であり、この恵まれた環境で商売ができることを日々感謝しています。
私はこの地域で、父が創業した電気工事の家業に従事してから約15年が経ちますが、近く会社を引き継ぐ予定です。幼い頃から会社を継ぐことを両親に伝えられていたこともあり、「将来家業を継ぐ」ということが私の目標となり、地元の工業高校に進学し、その後の進学先も電気工事関係の道を自然に進み、電気工事に必要な技術と経験を身に付けるために東京の電気工事の会社で7年間勤務しました。この7年間で、電気工事に必要な知識と経験を得られたことは私の大きな自信と財産になり、生まれ育った故郷を一度離れたことで、故郷の良さを知り、家業を継ぐ覚悟と家業に従事した当初からの目標である「地域に貢献できる会社になる!」という強い想いを得ることができました。
帰郷後は、父と協力しながら電気工事の先進的な技術や設備の導入を図り、現在では、地域・県内外の同業社からの信頼も得られるようになり、地域に必要な会社に成長できたように感じていますが、業界としては、廃業する会社が多く、人手不足も深刻な状態で、私の会社も人手が足りないのが現状です。
そんな中で、「仕事と青年部活動との両立は正直しんどい!!」というのが正直な気持ちですが、鶴の町商工会は、鹿児島県内でも有数の地域イベントが活発な地域であり、必然的に青年部活動も年間通して慌しい活動になります。中でも江戸時代から続く伝統的な行事で、鹿児島県三大市の一つと称される「高尾野中の市」は、毎年3月の春分の日に開催され、10万人を超える来場者で賑わう大きな行事です。この他にも毎年、11月の「文化の日」に200台を超える昭和生まれの車やオートバイが集結する「西日本オールドカーフェスティバル」も開催していますが、これらのイベントは、交流人口増加に繋がる地域の重要なイベントとして地域に認識されているため、必然的に運営主体である青年部の活動も地域に必要とされる活動となっていることを常に感じることができています。また、自己研鑽を積みながら部員同士、会員同士の繋がりを最大限活かした地域づくりを実践しているのが、商工会青年部の活動であり、青年部活動を通して「地域に貢献できる人になる!!」という私個人の目標も得ることができました。地域を商工会青年部の活動を通して盛り上げることができれば、家業の継続・発展に繋がり、会社としても私個人としても地域に貢献できると信じて、これからも青年部活動を頑張っていければと思います。