INTERVIEW

地域に愛されながら

愛知県 中部ブロック

加藤 泰幸

Yasuyuki Kato

愛知県豊田市の足助地区は人口約7500人最盛期にはには2万を超える人口があり、三河湾から信州に塩を運搬する際の宿場町として栄え平成17年に豊田市と合併した地区です。明治、大正、昭和初期までは主に林業などが町の産業でしたが、国鉄の中央線の開通によりこれまでの産業を続けることが難しくなった住民は町のシンボルであった「飯盛山」に紅葉を植樹する事で東海地区が誇る紅葉の名所である「香嵐渓」を作り上げました。今平成になってからは住民の観光意識が高まり、自らが住む街並みに観光価値を見出し、愛知県内で初めて文化庁の定める「重要伝統的建造物群保存地区」に選定される街並みに作り上げました。自然の観光名称である「香嵐渓」と人が集う観光名所である「足助の古い町並み」を活かしてたイベントを四季折々開催し毎年県内問わず多くの地域から足を運んでいただける愛知が誇る観光地へと発展しました。私の営む和菓子屋はこの古い町並みの中心で築100年以上の建物にかまえさせていただいております。

加東家株式会社は昭和26年、太平洋戦争から帰還した祖父が始めた和菓子屋で祖父、父、私と三代続く店です。戦時中食べ物に困った祖父が日本に帰ったら食べ物に関わる店を始めたことが開店の経緯でした。当時では珍しく、和菓子、洋菓子を扱う店で従業員は10名程度の会社でしたが現在では地域の人口減少に伴い家族と数人のパートの会社です。私自身高校を卒業後家業と同じ職に就くため東京の専門学校へ入学。その後麻布の和菓子屋、自由が丘の洋菓子屋にて修行のした後、帰郷して家業を継ぎました。当初は地元のニーズに応える事が難しく、試行錯誤にあける日々でしたが、観光地という利点からSNSやメディアで取り上げていただきありがたい事に当店を目指して足助にお越しになるお客様もいます。今後も地域に愛されながらも多くの方と交流できる店づくりとお客様一人一人が幸せを感じる菓子づくりに務めてまいります。

我々、「足助商工会青年部」は現在部員17人で活動を行なっています。部員は足助地区の中心地である「中央商店街」に店を構える部員が多く、商業工業の割合では商業事業所の部員が7割を占めています。部員のほとんどが生まれも育ちも足助地区の人で、地元の昔ながらのお祭りに参加をしています。そのため地域の文化を重んじ歴史に興味があります。その為地域振興とともに昔ながらの文化の発信を目指し3年前から「足助をどり」という行事を始めました。昔から地域で踊られてきた盆踊り、近年では踊る人が減少し踊る文化自体が薄れてきたこともあり、我々青年部が率先して文化を掘り起こし運営に携わっていくイベントです。そして中山間地区の悩みである過疎化による事業所の減少問題に向き合い昨年より空き家紹介事業である「足助町家情報ネットワーク あきびと座」を行なっています。年数回の空き店舗見学ツアーを行い、我々が新規事業者と空き店舗所有者の仲介を行政とタッグで行なっています。事例としてはまだ少ないですが回数をかさね地域の魅力を発信して地元の発展に繋げていきます。

事業所情報

商工会名
足助商工会
企業名
加東家株式会社
青年部員名
加藤泰幸
代表者名
加藤泰幸
企業業種
和洋菓子製造販売
設立年
1951年(昭和26年)
従業員数
1名
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